これまで何度か生成AIを活用した業務術の記事を書いてきましたが、今回は「RPAの仕組みを生成AIに作ってもらった」という事例を紹介します。
どんな課題があったのか?
とあるウェブシステムがありました。そこにデータを入力する必要があるのですが、データの元となるエクセルデータをいちいち手動でコピー&ペーストして登録を繰り返すのが非常に手間でした。もしそのウェブシステムに一括インポート機能があれば簡単なのですが、なぜかその機能は存在しません。結果として、一つひとつ手動で入力するしかない状況だったのです。
同じ動作を何度も繰り返すわけですから、これはRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の仕組みを作ろうと考えました。
なぜ直接AIに操作させなかったのか?
ただし、生成AIにそのままRPAの動きをさせるのは難しいだろうなと思います。AIの種類にもよりますが、多くの有名な生成AIはGUI操作が不得意だからです。そこで今回は「生成AIにPythonコードを書かせて、そのPythonを動かすことでRPAの動きを実現する」という方法を取ることにしまたのです。
Claudeに出したプロンプト
Claudeに送ったプロンプトは以下の通りです。
RPAのような操作をさせたいです。操作するためのpython コードを書いてください。
# 元データ
– csvで一覧表になっています。
– 1行目はタイトル行で、2行目以降にデータがあります。
– 1列目が「名前」(文字列)、2列目が「メモ」(文字列)、3列目が「表示順」(数値)になっています。# 入力する画面
– ブラウザで〇〇〇〇サイトにログインした状態で、 https://△△△△ を開きます。そこで、「新規作成」ボタンを押し、各inputフォーム項目を入力(元データの値を転記)し、「保存する」ボタンを押します。これをn回繰り返します。
– 〇〇〇〇サイトの新規作成画面には、以下の項目があります。名前,内容,日付,メモ,部門,表示順
* このうち、「名前」にはデフォルト値が入力されているので、そのデフォルト値を削除した上で、転記をしてください。
* 指定がない項目についてはデフォルト値のままもしくは空欄のままで保存して構いません。# 〇〇〇〇サイトの入力画面のHTMLはこれ(「新規作成」ボタンを押したあとに表示されるポップアップのような画面の部分)
<div class=”popup-body”><div><div class=”popup popup-success popup-hidden” id=”alert-success-in-popup”>(以下略)
結果はどうなったか?
このプロンプトで指示をしたところ、Claudeは自動で繰り返し処理(新規作成)をn回動かせるPythonコードを書いてくれました。あとはそのコードをパソコンの上で実行するだけです。(Windowsであればいわゆる黒い画面=Windows PowerShellで実行できます。)
コードが動き始めると、Pythonが勝手にパソコンを操作してくれます。このあいだ、何もキーボードやマウスを操作する必要がありません。
ということでパソコンが勝手に操作している間にランチに行ってきました! ランチから戻ってくると、すべての処理が終了しており、データ登録が無事に完了しているのを確認できたという塩梅です。
今回の教訓
この経験から言えることのひとつは、「無理に生成AIにいきなりゴールまで全部をやらせようとしない」ということです。一度Pythonのコードを書いてもらい、そのPythonに自動化を任せるという発想ができたことが、良い結果につながりました。
生成AIは万能ではありませんが、得意な領域と不得意な領域を見極めて適切に役割分担をすることで、大きな効果を発揮します。RPAのような反復作業の自動化も、生成AIに直接やらせるのではなく「自動化するプログラムを生成させる」というアプローチが今回は功を奏したのです。
他にもさまざまなAI活用事例がありますので、また紹介しますね。ではまた次回。