採用応募対応をAIで効率化する。Gmailから日程調整メールまで自動でつなぐ

弊社で、採用応募の受付から面接の日程調整までをAIで効率化するツールを作ってみました。

まず、採用応募がGmailに届くと、Notionのデータベースに求職者情報が1行追加されます。その次に、その行の選考ステータスを「書類選考NG」か「書類選考通過」に人の手で変更します。NGなら不採用通知が、通過なら面接候補日程つきのメールが、勝手に送信される、という仕組みです。

動画はこちら

採用応募対応で時間がかかるのは、選考ではなく事務

いくつかの会社に、採用応募対応をどのようにおこなっているのか聞いてみました。そうすると、人事(採用担当者)がエントリーシート情報を判断している時間はごくわずかであるということがわかってきました。履歴書を見て、この人に会ってみたいと思うかどうかは、ものの数分で決まるわけです。

でも採用担当者は時間がなくていつも忙しそうにしている。なぜなのかよく分析してみると、採用担当者の残りの作業は、事務に充てられていることが見えてきました。求職者からの応募メールを開いて、氏名と連絡先をコピーする。管理シートに貼る。面接日程を出すためにカレンダーを開く。空いている日を3つ探す。メールを書く。返信が来る。埋まっていたので出し直す。またメールを書く、の繰り返しです。

弊社がヒアリングしてきた範囲だと、応募1件あたりの事務作業はだいたい15分から20分。月20件の応募がある会社なら、月5時間から7時間ほどが、この転記と日程調整に消えている計算になります。

忙しいからと、この事務を後回しにしていると、採用はうまくいきません。応募から返信までの日数が伸びるほど、求職者は他社に決めてしまいます。応募から1週間放置した応募者に連絡しても、「他社で決まりました」と返ってきまうわけです。判断が遅いのではなく、事務が滞っているだけなのに、採用機会を逃してしまうのです。

採用応募メールをNotionに登録するまで

今回作ったこのシステムでは、Gmailに届いた採用応募メールを、Google Apps Scriptというプログラミングを使って、5分おきに拾うようにしています。そして本文を生成AI(Gemini API)に渡して、氏名、メールアドレス、応募職種などの要約を抽出させています。そのうえで、返ってきたJSONを、Notion APIでデータベースに1行追加しています。

動画で見ていただくとわかるとおり、今回サンプルで示した2通のメールは書式がまったく違います。例えば「氏名:山田太郎」と書いてある人もいれば、署名にしか名前がない人もいる。「山田と申します」と本文中で名乗るだけの人もいるでしょう。しかし生成AIを使えば、この揺れを吸収できるので、管理は格段に楽になります。

選考ステータスの変更をトリガーにする

Notionのデータベースには、選考ステータスという欄を設けています。値は、応募受付、書類選考NG、書類選考通過、面接調整中といった情報です。

今回のシステムで、採用担当者が触るのはここだけにしています。動画では、1人目を書類選考NG、2人目を書類選考通過に変更してみました。

この変更がおこなわれると、その情報を自動でキャッチして、Gmailから求職者に選考案内のメールが送信されるようにしています。

面接候補日程は、Googleカレンダーの空きから拾う

書類選考通過にしたときに送るメールには、面接候補日を3つ入れています。この日程は、面接官のGoogleカレンダーを参照して自動で決めています。

条件は、平日の10時から17時、所要1時間、翌々営業日以降の10営業日以内といった形であらかじめ条件指定しています。この範囲で予定が入っていない枠を拾い、3つ選ぶというわけです。前後15分のバッファも空いていることを条件にするなどもよいかもしれません。アイデア次第で、面接官が複数いる場合は、全員が空いている時間だけを候補にするということも可能です。

まとめ

採用応募対応をAIで効率化するにあたって、弊社が自動化したのは判断業務ではなく事務作業のほうです。AIに判断してもらうというのはなかなかハードルが高いので、判断は採用担当者がおこなうこととし、自動化部分をシステムにやってもらうことにしたわけです。

Gmailに届いた応募メールを生成AI(Gemini)に読ませてNotionへ登録し、選考ステータスの変更をきっかけに不採用通知と面接候補日程つきメールを送る。採用担当者が手を動かすのは、Notion上で選択肢の値を変える操作だけになりました。

AIの精度はまったく問題なく、応募メールの書式の揺れは、生成AI(Gemini)がほぼ吸収してくれます。

面接候補日程の抽出には、直接的にはAIは使わず、GoogleカレンダーのAPIを使用しています。ルールが決まっている計算はAIではなく直接正確なプログラミングを使うという切り分けですね。

自社の採用応募対応でどこから自動化すべきかを整理したい会社があれば、ぜひAX診断をお試しください。