中小企業デジタル化・AI導入支援事業費補助金のデジタル化セカンドオピニオン(本加点措置)について。
経済産業省ウェブサイトに、中小企業庁生産性向上支援室の資料として、デジタル化・AI導入補助金に係るオンライン面談加点制度(案)についてのアンケート【参考資料】(2026年3月10日)議論用・未定稿が掲載されています。
また、デジタル化・AI導入補助金2026ウェブサイトに、デジタル化セカンドオピニオンの取り組み(第3回公募回より加点措置を実施)として、「本事業の通常枠の申請においては、交付申請締切時点で「デジタル化セカンドオピニオン」を実施していることで、審査における加点対象となります。」との記載があります。そして、「申請者向けデジタル化セカンドオピニオンマニュアル」は2026/6/12公開予定とのことです。
申請者向けデジタル化セカンドオピニオンマニュアル(2026年6月12日策定)が公開されました。マニュアルはこちら。
デジタル化・AI導入補助金(中小企業デジタル化・AI導入支援事業費補助金)は、中小企業・小規模事業者等の労働生産性の向上を目的として、デジタル化やDX等に向けたITツール(ソフトウェア、サービス等)の導入を支援する補助金です。
かつてはIT導入補助金という名称でしたが、令和7年度補正予算分からは、「デジタル化・AI導入補助金(中小企業デジタル化・AI導入支援事業費補助金)」と名称を変更しています。
1. 制度の概要
デジタル化セカンドオピニオンとは
- ITベンダー以外の第三者(確認者)とのオンライン面談を通じて、デジタル化・AI導入の目的を改めて確認し、客観的視点でアドバイスを受ける制度。
- 面談を実施した申請者は、交付申請の審査で加点を受けられる。
- 対象は 通常枠に限る(インボイス枠・複数者連携枠・セキュリティ対策推進枠などは対象外)。
制度の狙い
- 意欲があり、計画を立ててデジタル化・AI活用に取り組む企業を高く評価する。
- ITベンダー以外の第三者視点で「このツールが本当に自社に必要か」等の気づきを与える。
確認者(第三者)とは
- 中小企業診断士またはITコーディネータの資格を有し、募集を経て事務局に登録された者。
- 申請者とのオンライン面談の調整・実施、面談内容への助言・評価を行う。
- ITベンダーは確認者になれない(中立的な立場であることが条件)。
対象者
以下のすべてにあてはまる中小企業・小規模事業者。
- デジタル化・AI導入補助金2026(通常枠)の申請を行う事業者
- 加点措置による加点を希望する事業者
スケジュール
- 第3次公募回から開始。
- 加点を希望する場合、申請する募集回の申請締め切りまでに面談を実施することが要件。
- 終了時期は本事業ホームページの事業スケジュールを参照。
2. 加点条件(必須要件)
以下をすべて満たす必要がある。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 申請枠 | 「通常枠」の申請者であること |
| 面談相手 | 事務局が定める第三者「確認者」と面談を実施すること |
| 出席者 | 経営者(代表取締役、個人事業主は本人)が対応すること |
| カメラ | 面談中はカメラを有効化していること |
| 録画 | 面談の録画について承諾していること |
- ※ IT導入支援事業者・ITベンダー等の同席は不可。
- ※ デジタル化の責任者など社内関係者の同席は可能。
3. 注意事項
- 通常枠以外の申請枠・類型は加点対象とならない。
- 所定のシステム外で確認者と面談した場合は加点対象とならない。
- 経営者が面談に出席できない場合、面談はキャンセル扱いとなり加点対象外。
- カメラを有効化していない場合、加点対象外。
- 録画を承諾しない場合、加点対象外。
- 確認者からの評価は申請者に通知されない。
- 採択/不採択の理由は開示されない。
- 確認者から不正を持ちかけられた場合は事務局へ通報すること。
4. 面談の評価ポイント
確認者は、デジタル経営ビジョンの記載内容と面談時の会話をもとに、以下2軸で評価する。
評価軸1:取組内容の整合性・論理性
- 現状課題と導入ツールがつながっているか
- 導入目的が明確か
- 将来目指す姿と今回の申請内容が矛盾していないか
- スケジュールや体制に現実性があるか
- 自社に適した取り組みか考えられているか
- 説明内容に大きな矛盾がないか
ポイント: 取組内容がデジタル化として高度でなくても、自社にとっての必要性を整理して伝えられることが大切。
評価軸2:経営者の理解度・意欲
- 経営者が自らの言葉で説明できているか
- 経営者が計画内容を理解しているか
- 現場任せ・ベンダー任せになっていないか
- 導入後も継続的に関与する意思があるか
- (あれば望ましい)組織としてAIを積極活用する姿勢があるか
ポイント: 経営者自身がデジタル化の必要性を理解し、想定される困難を乗り越える決意を、受け売りでなく自分の言葉で伝えることが大切。
- ※ 大枠の説明は経営者が行う。追加質問への詳細説明は社内担当者が行ってもよい。
5. デジタル経営ビジョンの作成
加点を受ける際に申請者がフォームに入力する簡易的な事業計画。この内容をもとに面談が行われる。
デジタル化・AI活用全体について
| # | 項目 | 内容 | 記入のポイント |
|---|---|---|---|
| ① | 現状把握 | 現状のデジタル化状況・生成AIツールの利用状況 | 主要業務を洗い出し、デジタル化/AI活用の状況を5つ以上記載 |
| ② | 将来目指す姿 | 会社が目指す方向性とデジタル化・AI活用の方向性 | 補助金申請に限らず、今後どう進めるかを説明 |
今回の補助金申請について
| # | 項目 | 内容 | 記入のポイント |
|---|---|---|---|
| ③ | 本申請の目的 | 補助金申請で実現したいデジタル化・AI活用の目的 | どんな目的で、なぜこのITツールを選んだか |
| ④ | スケジュール | 導入前・導入後・1年後にどう活用するか | 想定される課題と対応策の記載が望ましい |
| ⑤ | 体制整備 | 経営者・デジタル化責任者の氏名と役割 | 役割を設定していることを説明(両者は同一人物でも可) |
| ⑥ | 経営者の関わり | 経営者の関与方針・社内体制 | 経営者の関与状況に合うものを記載 |
| ⑦ | その他 | 特記事項 | 任意 |
記入例(抜粋)
- ① 現状把握:人事・労務=Excel、会計=ソフト、仕入れ=Excel、発注=紙、在庫管理=紙/生成AI=ChatGPT、Gemini、NotebookLM
- ② 将来目指す姿:3年後に売上高30億円を目指す。データが紙だったりシステムが別々で全体分析ができないため、システムの集約・連携を進める方針。第一歩として今回は会計ツールを導入。
- ③ 本申請の目的:受発注はシステム化済だがシステム間連携がなく一部を紙・Excel管理。入力ミスや情報伝達の遅れを解消し生産性向上を目指す。既存受発注システムとの連携機能・低価格・サポート充実を理由にツール選定。
- ④ スケジュール:導入前に担当者へ共有・了解取得 → 導入後に研修実施(責任者自らも使い説明可能に)→ 1年後に経理担当全員が使いこなし、データ蓄積で属人化解消。
- ⑤ 体制整備:経営者=経営戦略への反映を検討/責任者=推進リーダーとしてベンダー対応・実務担当者への助言。
- ⑥ 経営者の関わり:経営者が積極的に関わり、経営戦略としてデジタル化・AI活用を推進。
6. 申請手続きの流れ(システム操作)
全体フロー
- 制度趣旨を理解する
- 申請マイページにログイン・手続き開始
- 「申請者メニュー」→「デジタル化セカンドオピニオン予約(加点措置)」を押下 → 確認者検索画面へ
- デジタル経営ビジョンを作成する(上記7項目)
- 確認者検索
- 「活動している都道府県」「得意業種」で検索(いずれか一方/条件なしでも可)
- 「調整しやすい時間帯」を参考に確認者を選び「予約」を押下
- ※ 検索結果はランダム表示
- 予約フォーム入力/送信
- 申請者情報(担当者氏名、業種、事業内容、従業員数、都道府県 等)を入力
- 面談希望日時
- プライバシーポリシー同意・加点条件理解にチェック → 「次へ」→「申し込む」
- 確認者が日程登録(確認者側の操作)
- 面談日程確定メール受領
- オンライン面談実施
- 確認者が面談結果を登録(申請者には通知されない)
- 事務局が加点審査を実施
面談希望日時 入力時の留意事項
- 実際の面談時間は 30分から最大1時間(進捗により早く終わることも)。
- 確認者の「調整しやすい時間帯」を参考に、可能な時間帯を幅広に選択する。
- 開始・終了に1時間以上の幅を持たせて入力する(その中から確認者が対応可能な時間を指定)。
- 交付申請の締切2週間前は予約が混み合う恐れがあるため、余裕をもって予約する。
予約に関する補足
- 同時に複数の確認者へ予約フォーム送信が可能(再度検索して送信)。
- 次回送信時は、以下を除き前回入力内容が自動反映される。
- 面談希望日時
- プライバシーポリシー・利用規約のチェックボックス
- 加点条件のチェックボックス
- 途中で「戻る」やブラウザバック・閉じた場合は予約されない。
7. 通知メール
事務局から各種通知がメールで届く。以下のアドレスを受信できるよう設定すること。
@it-shien.smrj.go.jp@shinsei.it-shien.smrj.go.jp@wb-transfer.toppan-edge.co.jp
| 通知 | 内容 |
|---|---|
| 予約申請フォーム提出完了 | 予約フォーム送信完了(申請者・確認者の双方へ) |
| オンライン面談日程確定 | 面談日時・面談URL・注意事項を記載(双方へ) |
| オンライン面談不成立 | 希望日時で面談が成立しなかった場合に通知 |
| オンライン面談キャンセル | 確定後にキャンセルされた場合、理由とともに通知 |
- 面談確定時、申請者・確認者双方にメールアドレスが共有されるが、原則キャンセルの打診以外で連絡しないこと。
8. 面談実施時の注意事項
- オンライン面談はZoomで実施。メール記載のZoom URLから入室。
- 経営者自身(代表取締役、個人事業主は本人)が必ず参加。責任者等の同席は可だが、IT導入支援事業者・ITベンダー等の同席は不可。
- 面談内容は不正防止等の観点から録画。確認者・申請者の双方がカメラをオンにする必要あり。
- 面談ではデジタル化の目的・内容(デジタル経営ビジョン)への確認・助言が行われる。
- 助言は効果を保証するものではなく第三者の意見であり、判断は経営者自身で行う。
- 面談結果(評価内容)は確認者から伝えられない。加点は面談結果を踏まえ事務局が判断。
- 不適切な対応があった場合は事務局へ通報。
要点メモ(押さえるべきポイント)
- 対象は 通常枠のみ。第3次公募回から開始。
- 申請締め切りまでに面談を実施しないと加点されない。締切2週間前は混雑するため早めに。
- 経営者本人の出席・カメラON・録画承諾 が必須条件。一つでも欠けると加点対象外。
- 評価軸は「①取組の整合性・論理性」と「②経営者の理解度・意欲」。高度さより、自社の必要性を経営者が自分の言葉で語れることが重要。
- 評価結果は申請者に通知されない。